個別統計解析の紹介|目的別アルゴリズムとパラメータ

「オールインワン統計」では物足りない、「片側検定を行いたい」「信頼区間を変更したい」「Rの出力結果を確認したい」といったニーズに応えるのが、この個別統計解析機能です。

教科書に載っているような具体的な統計手法を一つずつ選び、詳細な条件を設定して実行することができます。

この機能の特色

  • 詳細設定: 対立仮説(両側/片側)、信頼区間(95%/99%)、多重比較の方法(Bonferroni/Holmなど)を細かく指定できます。
  • R出力の確認: 解析結果には、要約された表だけでなく、統計エンジン「R」が実際に出力した生の計算結果(コンソール出力)も表示されます。
  • 学習に最適: どのようなRコードで計算されたかを確認できるため、統計学やR言語の学習にも役立ちます。

1. 使い方(基本フロー)

  1. メニューの**「📈 統計解析」**から、目的の検定手法を選びます(例:「対応のないt検定」)。
  2. 変数選択エリアで、解析したい変数を選びます。
    • 群変数: グループ分けの基準となる変数(例:性別、投薬群)。
    • 目的変数: 比較したい数値やカテゴリ(例:血圧、治癒の有無)。
  3. オプションエリアで、検定の条件を設定します。
  4. **「▶ 解析実行」**ボタンを押します。

2. 利用できる検定手法

データの種類や目的に合わせて、5つのカテゴリに分類されています。

📊 名義変数の検定

「はい/いいえ」「A型/B型/O型/AB型」などのカテゴリデータの比率を比較します。

  • カイ二乗検定: 最も一般的な比率の検定です。
  • フィッシャーの正確検定: サンプル数が少ない場合に推奨されます。
  • マクネマー検定: 対応のある(ペアになった)2値データを比較します。
  • コクランQ検定: 対応のある3群以上の2値データを比較します。
  • コクラン・アーミテージ検定: 順序のある群(用量など)とイベント発生率のトレンド(傾向)を検定します。
  • 残差分析: カイ二乗検定などで有意差が出た場合、具体的にどのセルの度数が期待値と異なるかを特定します。

📈 連続変数の検定

「身長」「体重」「検査値」などの数値データの平均値を比較します。

  • 対応のないt検定: 独立した2群の平均値を比較します(Welch法/Student法)。
  • 対応のあるt検定: 同じ対象者の前後比較などで使用します。
  • 分散分析 (ANOVA): 3群以上の平均値を比較します。
  • 反復測定分散分析: 対応のある3群以上の平均値を比較します。

📉 ノンパラメトリック検定

データが正規分布に従わない場合や、順序尺度(ステージI, II, IIIなど)の比較に使用します。

  • マン・ホイットニーのU検定: 対応のない2群の中央値(分布)を比較します。
  • 符号付順位和検定: 対応のある2群を比較します。
  • クラスカル・ウォリス検定: 3群以上を比較します。
  • フリードマン検定: 対応のある3群以上を比較します。
  • ヨンクヒール・タプストラ検定: 順序のある群(用量など)と中央値のトレンド(傾向)を検定します。

🔗 相関の検定

  • 相関分析: 2つの変数の関係性の強さを調べます(ピアソン/スピアマン)。

🔍 事前の検定

  • 正規性検定: データが正規分布に従っているかを確認します(シャピロ・ウィルク検定、コルモゴロフ・スミノフ検定)。
  • F検定: 2群の分散(ばらつき)が等しいかを確認します。

3. 詳細オプションの設定例

個別統計解析では、以下のような高度な設定が可能です。

  • 対立仮説(両側/片側):
    • 「差があるか」だけでなく、「A群の方が大きいか(片側検定)」を検証できます。
  • 信頼区間:
    • 通常は95%ですが、より厳しく99%信頼区間を求めることもできます。
  • 多重比較法:
    • 3群以上を比較する際、P値の補正方法を「Bonferroni法」「Holm法」「Tukey法」などから選択できます。

4. 結果の見方

解析を実行すると、以下の2つの形式で結果が表示されます。

  1. 解析要約(上段):
    • P値や検定統計量、信頼区間などを分かりやすくまとめたレポートです。
    • 「有意差あり」「正規分布に従う」などの判定コメントも表示されます。
  2. Rコンソール出力(下段):
    • 黒い背景のエリアに、R言語の標準的な出力結果が表示されます。
    • 論文記載に必要な詳細な統計量(自由度、t値、正確なP値など)を確認したい場合に参照してください。
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