

この記事ではEZRによる反復測定分散分析とその後の検定の方法を解説します

最後に問題もあるので勉強した成果が試せますね!
準備をしよう
EZRをまだインストールしていなかったり、基本操作がわからなかったり。そもそも何がわからないかわからない人は、まず下記の記事を参考にしてください。
また、三群以上の検定の概要についてまとめた記事もあるので参考にしてください。1度は目を通しておくことをお勧めします。
練習用のEZR用データセットを使っていきます。下記からダウンロードしてください。データセットについての詳細は関連記事を参考にしてください。

それではEZRを起動し、【ファイル → 既存のデータセットを読み込む】からダウンロードした「高度解析用データ」を読み込みましょう!
EZRでやる反復測定分散分析+その後の検定
反復測定分散分析の概要

検定手法の概要です。反復測定分散分析は対応のある3時点以上の平均値の差の検定を行うパラメトリック検定です。3時点とは【過去】【現在】【未来】のようなことです。
パラメトリック検定なので、人数が30名以上で、間隔・比例尺度のデータを対象とします。
また、この検定だけでは、どことどこに差があるかまではわかりません。

反復測定分散分析の流れです。
まずは反復測定分散分析のP値を求めます。P値が有意水準未満(P<0.05)であれば、全体に差があることがわかります。
全体に差があれば、どことどこに差があるかその後の検定を行いましょう(といってもEZRでは同時に出力されます)。
EZRで計算できる反復測定分散分析のその後の検定はBonferroni法の方がHolm法よりもよく使われているイメージがあります。この記事ではBonferroni法で紹介していきます。
反復測定分散分析+その後の検定(Bonferroni法)のEZR操作手順


【統計解析 → 連続変数の解析 → 対応のある2群以上の間の平均値の比較(反復[継時]測定分散分析)】から設定画面を開きます。
上の画像を参考に、選択していきます。選択を終えたら【OK】を押しましょう。結果が出力されます。
非リア充(リアル==3)の、プログラム実施前のY1_充実度、プログラム実施後のY2_充実度、Y3_充実度の変化の差を検定してみよう(その後の検定はBonferroni)
- ① そのままでOK
- ② Y1_充実度、Y2_充実度、Y3_充実度を選択
- ③ 未選択でOK
- ④ そのままでOK
- ⑤ Bonferroniの多重比較にチェック
- ⑦ リアル==3 を入力
- ⑥ OKをクリック

たくさん出力されるので、まずは出力開始の部分を探しましょう。そこから出力されているので、順番に下に見ていきます。検定の結果はデフォルトでは青字で出力されています。
出力結果から反復測定分散分析のP値を探します。
P値は2.2e-16(0.00000000000000022)で、有意水準の0.05(5%)をものすごーく下回っているので有意であることが分かりました。つまり、グループ全体のどこかに差があることがわかりました。
ただし、このP値は実はもしかすると問題があるかもしれないので、モークリーの球面性の診断結果を見ます。

同じ対象者に反復測てする分析のため、どうやら難しい問題が起きるそうです。何が起きてるかは知らなくていいです。
Mauchly TestsのP値(p-value)が0.05未満だと、問題があるので、Greenhouse-GeisserもしくはHuyn-Feldtの方法で補正したP値を採用します。まぁ、経験上、この補正のために有意差が出なくなることはほとんど無いです。
続いて、どことどこに差があるか、その後の検定の結果を確認しましょう。

Bonferroniの出力結果から、組み合わせごとのP値を確認します。すべての組み合わせで有意な差が見られました。
残念ながら、反復測定分散分析では基本統計量を同時に計算してくれません。仕方がないので【グラフと表 → サンプルのサマリーデータの背景表の出力】から出力しましょう。
今回の結果は「非リア充の充実度はプログラム実施前の1年目は14.9±9.2、実施後の2年目では23.0±11.9、3年目では53.7±19.3であり、すべての組み合わせで有意な差が見られた(P<0.001)」となりました。
さらに挑戦してみよう!反復測定分散分析
これで反復測定分散分析は終わりです。せっかくなので下記から練習してみてください。このままのデータセットで練習できます。
また、一部の問題は条件式を利用するので、下記の記事から勉強しておくことをお勧めします。