この記事ではEZRによる符号付順位和検定の方法を解説します
最後に問題もあるので勉強した成果が試せますね!
準備をしよう
EZRをまだインストールしていなかったり、基本操作がわからなかったり。そもそも何がわからないかわからない人は、まず下記の記事を参考にしてください。
練習用のEZR用データセットを使っていきます。下記からダウンロードしてください。データセットについての詳細は関連記事を参考にしてください。
それではEZRを起動し、【ファイル → 既存のデータセットを読み込む】からダウンロードした「対応ありデータ」を読み込みましょう!
EZRでやる符号付順位和検定
符号付順位和検定の概要
検定手法の概要です。符号付順位和検定は対応のある中央値の差の検定を行うノンパラメトリック検定です。
では、「対応ありデータ」の基本統計量の表を見ながら、どこに符号付順位和検定が適用できるか確認していきましょう。
対応のある検定なので、基本統計量の表も対応のある表になっています。左側がプログラム実施前、右側がプログラム実施後です。当然ですが、性別は変化してないですね。
ノンパラメトリック検定なのでn数はとくに関係はありません。
また、ノンパラメトリック検定なので順序尺度でも間隔・比例尺度でも使えます。この場合「幸福度」は符号付順位和検定で検定します。
ただ「年齢」と「BMI」は間隔・比例尺度なので、符号付順位和検定が使えなくもないですが、n数が十分いるのでパラメトリック検定の対応のあるt検定を使用しましょう。n数が少なければ、「年齢」や「BMI」などの間隔・比例尺度は符号付順位和検定を使用します。
符号付順位和検定のEZR操作手順
【統計解析 → ノンパラメトリック検定 → 対応のある2群間の比較(Wilcoxon 符号付順位和検定)】から設定画面を開きます。
上の画像を参考に、選択していきます。選択を終えたら【OK】を押しましょう。結果が出力されます。
たくさん出力されるので、まずは出力開始の部分を探しましょう。そこから出力されているので、順番に下に見ていきます。検定の結果はデフォルトでは青字で出力されています。
出力結果からP値を探します。
なぜかP値しか計算してくれません。中央値や四分位範囲を求めたいときは関連記事を参考に【グラフと表 → サンプルのサマリーデータの背景表の出力】から求めましょう。
P値は非常に小さな値です。0.001未満は<0.001と表記することが多いです。また、有意水準の0.05(5%)を下回っているので有意であることが分かりました。
今回の結果は「自己啓発プログラム実施前の幸福度の中央値は3.0、実施後は4.0であり有意に増加した(P < 0.001)」となりました。
さらに挑戦してみよう!符号付順位和検定
これで符号付順位和検定は終わりです。せっかくなので下記から練習してみてください。このままのデータセットで練習できます。
また、一部の問題は条件式を利用するので、下記の記事から勉強しておくことをお勧めします。